【要望事項1】1.異常事態下での継続的使用計画に基づく表示と弾力的な取り締まり
鶏肉、特にムネ肉は、購買可能国が2カ国と限定されていることもあり、その調達が、新型コロナウイルス、鳥インフルエンザ等(以下、「コロナ、インフル等」という。)疾病の他、各国の需給、生産状況等に大きく影響を受ける。その中においても2019年、2020年は上記特殊要因による変動が大きく、新年度に調達計画を立案しても計画通りの原料調達が可能かは不透明な状況にある。過去の実績および今後想定される調達の変動を考えた場合、実績に基づいた「又は表示」で行った場合は、毎年度実態と乖離した形での表示の見直しと、多大なコストの発生が不可避となってしまう。従って、コロナ、インフル等が世界的に終息する等異常事態が解消されるまでの間、継続的に使用計画に基づく「又は表示」とするとともに、原材料調達先表示順序と実際に使用する産地の順序が結果的に異なっても取り締まりの対象とならないようお願いしたい。
【回答1】コロナ、インフル等の影響の有無にかかわらず、使用計画に基づく「又は表示」をし、結果として表示順序と実際に使用する産地の順序が異なることや、片方の産地を全く使用しないということがあったとしても、合理的な説明があれば表示違反とはならない(ただし、表示していない国の原材料を使用した場合には表示違反となる)。大事なことは計画作成時点で原料調達計画内容(想定される原産国を含む)を明確に作成し、説明できるよう根拠資料を保管しておくことである。(使用計画に基づき表示する場合、原産地ごとの重量順位の変動や産地切替えがあることを示す資料、産地別使用計画をどのような単位で計上したかを示す資料などの根拠資料を整理・保管しておくことが求められる。)また、見込まれる調達先が過去の使用実績とは異なるなど、過去の使用実績と異なることがあらかじめ想定されるのであれば、使用計画に基づく「又は表示」を継続的に行うことになっても、毎年、使用計画を作成する必要はあるが、問題となるものではない。なお、(原原-39)の1の②は、過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画に基づく表示について、実際の使用実績と大きく異なりその理由について合理的な説明ができない場合や、使用計画の設定根拠について合理的な説明ができない場合の事例である。
【要望事項2】2.コロナ等による影響下での意図しない表示齟齬の取扱い上の配慮
コロナ、インフル等の影響により意図せずに実際と表示に齟齬があった場合、具体的には「国産又はタイ」と表示していて実際は「タイ」あるいは「タイ又は国産(5%未満)」あるいは「タイ又は国産」などの実績となった場合においても、終息後一定期間(原材料の確保が安定になるまでの間)取り締まりの対象としないこととしていただきたい。また、鶏肉以外の畜肉においても同様のことが想定される場合には、是非ともご配慮をお願いしたい。また、「タイ産又は国産」という表示に、注意書きとして「本年度の使用計画に基づきますが、記載された産地の調達状況によっては使用の有無、使用順の変更がございます」のような記載を認めていただきたい。
【回答2】【回答1】と同じ。(鶏肉以外の豚肉、牛肉等においても鶏肉と同じ取扱いである。)なお、輸入先が3か国以上となり「輸入又は国産」と表示し、結果的に輸入国が2か国になっても、合理的な説明があれば違反とはならない。また、注意書きで「本年度の使用計画に基づきますが、記載された産地の調達状況によっては使用の有無、使用順の変更がございます」と書いても問題はない。「又は表示」はもともと注意書きの後段の内容を包含しているので、あえて後段の内容を書く必要性はなく、そのような記載をした場合、記載していない製品が、使用の有無や使用順の変更がないかのような誤認を与える可能性がある。
【要望事項3】3.自己の意思に基づかない外的要因による取扱いに係るQ&Aの整合性の明確化
コロナ、インフル等による価格高騰による調達先変更をした場合の取扱いについて、新たな原料原産地表示Q&Aの(原原-39)の「家畜の伝染性疾病の発生」と(原原-64)の「家畜の伝染性疾病の発生による輸入停止措置等」と同等の取扱いができることを示していただきたい。(原原-64)の2項の農産物の不作や為替の変動等は単なる商行為によるものではなく、自己の意思に基づかない外的要因によるものであるため、コロナ、インフル等と同等の取扱いとしていただき、Q&Aの読み方に幅を持たせていただきたい。
【回答3】Q&A(原原-64)は、緊急時の対応の取扱い(通常であれば明確に表示違反となるものも特例扱いにする)を明記している。まさに令和2年4月10日付の「新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について」に該当するものであり、緊急時の対応そのものの事例である。(原原-64)の第2項については、農産物の不作や為替の変動等による原材料の調達先の変更の結果、表示内容と使用する産地が異なる場合には表示を変更する必要があることを明示したものである。なお、「又は表示」をしている場合において、為替の変動等による原材料の調達先の変更の結果、表示内容と実際の使用実績が異なった場合であっても、新たな国が調達国として入らない(表示している内容と齟齬がない)限りにおいて、為替の変動は合理的な説明として考えられる。



