食肉科研は『日本食肉加工協会』として新たな一歩を踏み出しました

 (一社)食肉科学技術研究所は、(一社)日本食肉加工協会を吸収合併し、令和8年6月1日より、業界団体を代表する名称である『一般社団法人 日本食肉加工協会』として新しくスタートしました。
お陰様で食肉科研コラムは127回を迎えることができています。初めてこのコラムを日本食肉加工情報に掲載したのは、平成27年5月号でした。食肉科研設立から10年が経過した頃でしたが、食肉科研がどのような検査業務をしているのか、会員、組合員の皆様にもっと知ってもらう目的から、本コラムを掲載することとなったことが始まりです。この度の合併により、組織名は「日本食肉加工協会」に変わりましたが、新協会組織の中に検査部門として食肉科学技術研究所が存在することもあり、引き続き「食肉科研コラム」としてご愛顧いただければと思います。
今回のコラムでは、新生「日本食肉加工協会」の柱となる事業について4つをご紹介いたします。

新協会での柱となる4つの事業

 (1)JAS(日本農林規格)事業
 新協会では、新たに部として設置されたJAS推進部が中心となって当事業を担います。
 加工食品の品質を保証する仕組みにJAS制度があります。当協会は農林水産大臣の登録認証機関として、JAS法に基づきハム・ソーセージ・ベーコンを製造する工場の認証、認証した工場の品質管理状況を定期的に調査します。製品検査ではJAS認証工場が格付する製品の品質検査を行います。さらに、JAS制度に関する講習会の実施、講習会への講師派遣、パンフレットの配布などを通じてJAS製品の品質確保、行政や関連団体と連携しその普及を図っていきます。

 (2)食品検査に関する事業
 新協会では、検査業務管理部がお客様との依頼手続き、依頼内容の把握や成績書の発行を、検査の実施は微生物部及び理化学部が中心となって担います。
 この事業は、食品事業者をはじめ広く一般からのご依頼による①「一般依頼検査」と厚生労働省登録検査機関としての輸入食品の安全性を知る検査のための②
「輸入時検査」の2つに分れます。
①「一般依頼検査」は、主な内容を3つご紹介すると、品質(おいしさ)を知る検査として、自社の食肉・食肉製品の品質をアピールするための評価を成分検査、食味検査、保存試験検査などと組み合わせて評価しています。(お客様のご要望に合わせてカスタマイズも可能です)。
 有害物質を知る検査として、食品中に残留する動物用医薬品や農薬の検査が可能です。また、食品衛生法に係る規格検査として、食品中の食品添加物や微生物検査の受託をしています。

②「輸入時検査」は、食肉、食肉製品だけでなく野菜やフルーツなどの農産物、エビや鰻などの水産物、加工食品全般など幅広い食品に対応し、行政に代わって食品衛生法による規格や残留基準適合性に係る命令検査・自主検査を受託しています。

(3)食肉製品の衛生・品質・規格・表示に関する事業
 新協会では、新たに設置された調査指導部(旧協会が実施していた事業を継続した部署)が中心となって担います。
 会員、組合員に向けて食肉製品等の安全性確保のために、HACCP普及のための講習会開催、導入のための相談、支援、食品衛生法及び関連情報の収集や提供を行います。
 食肉製品等の品質、製造技術の改善・向上のために、JAS推進部と連携しJAS規格や品質表示基準への周知、相談、講習会開催などを行います。
 食肉製品の消費拡大・普及啓発のために、JAS製品を含むハム・ソーセージ・ベーコン等の定義など正しい知識の普及、宣伝をJAS推進部と連携して行います。
 関連事業として、食肉製品に関する統計資料、学術文献等の収集、情報提供を行います。

(4)調査、研究に関する事業
 新協会では、事業の内容によって担当部署を決めるまたは部署を超えたチームを編成して担います。
調査については、食品製造工場の施設設備の衛生点検や衛生指導を行っています。また、HACCP講習会、食肉加工技術講習会、食品衛生管理者講習会等を通じて技術的支援を行います。
 研究については、食肉・食肉製品に係る技術開発や食品の品質・安全性のための調査や研究を行います。最近では、「豚肉の賞味期限延長・おいしさ向上評価推進」のための調査研究、国産食肉加工品の輸出促進を鑑みた「国産ローストビーフ品質評価」のための調査研究、「ソーセージの塩漬フレーバー増強へのヒポキサンチンの関与についての研究」等、積極的に取り組んでいます。
 当協会のホームページには、過去に携わった調査・研究について掲載していますので、ぜひ一度ご覧ください。

 今般の合併により、新協会においては両団体がこれまで培ってきた強みを融合させ、相乗効果を生むような取り組みを進めて参ります。新協会をどうぞよろしくお願いいたします。


文責:一般社団法人 日本食肉加工協会

食肉科学技術研究所
専務理事 吉田由香