JAS登録認証機関は、JAS規格適合性確認検査の有効性を確認するため、精度管理計画に基づき、製品検査員の技能評価を定期的に実施しています。
精度管理には、内部精度管理と外部精度管理があります。内部精度管理は自施設内での取り組みであり、主に検査精度の向上が目的といえます。一方の外部精度管理は、自施設と他施設の測定値を比較することが基本で、検査の正確性の向上を目的に置いた取り組みということができます。今回は食肉科研で実施している、JAS規格適合性確認検査のための内部精度管理についてご紹介いたします。

技能を評価する方法

技能評価は次のいずれかの方法または併用して行っています。
(1)検査用製品又は市販されている通常の製品を用いて、定められた方法により検査結果の再現性を維持できる技能の評価。
(2)精度管理用に調製された市販品その他の調製試料を用いて、定められた方法により検査する技能の評価。(FAPASによる外部精度管理や(公社)日本分析化学会で頒布している魚肉ソーセージを利用します。)
(3)結果を伏せたJAS規格等に関するテスト問題を用いて、正しい知識と理解をもって検査する技能の評価。

食肉科研で行っている品位検査の内部精度管理と評価

品位(官能)検査の精度管理は、次の方法を組み合わせて実施しています。
(A)五味識別テスト
無味3点を加えた8つの溶液を製品検査員に提供し、それぞれがどの味なのかを検査します。4点以上の正解で合格とします。
(B)製品の評価
ハム類及びソーセージ類の熟成製品と熟成以外の製品について、熟成JASとして合格か否かの「品位」検査を行います。熟成ではないと評価した製品については、どのような根拠で熟成品ではないと判断したかを明らかにします。正しく判定し、かつ、適切な指摘コードを記入できたかにより技能を評価します。
(C)JAS規格等に関するペーパーテスト
JAS規格等に関するテスト問題を提供し、解答してもらいます。日々の検査ではすぐに参照できるようにJAS規格書を手元に置いて検査していますが、テストは理解度を確認するためですので、JAS規格等は参照しません。設問は20問で、70点以上を合格としています。

精度管理の結果、不適切と評価された場合には、再試験などにより技能を再評価します。その結果技能が不適切であったときは、再教育を行います。再教育期間中は品位の検査に携わらせません。JAS規格等に関するペーパーテストで間違えた箇所は、得点に関わらず、JAS規格を用いて訂正させ、必要があれば解説します。これからも、精度管理は検査結果を保証するためのものであることを忘れずに、技
能の向上、維持に努めてまいります。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
事業統括部微生物部 中島誠人