2020年4月からいよいよ加工食品への栄養成分表示の義務化が完全実施となりました。
当研究所は平成30年度から社員及び会員の皆様が栄養成分表示にスムーズに対応できることを目的として、(公社)日本食肉協議会の助成を受け、栄養成分分析を支援する事業を実施し、おかげさまで最終年度が無事終了しました。
事業内容
本事業は、当研究所に栄養成分義務表示を表示するために必要な項目の検査を当研究所にご依頼いただくときの検査費用の半額を助成するというものです。
○検査項目:水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分、ナトリウム(食塩相当量)、熱量
○対象試料:食肉製品(ベーコン類、ハム類、ソーセージ類、焼豚など)
○試料数:全体で210検体。原則として1工場当たり10試料を上限とする。
試料数と検査結果
2019年度の参加工場数は32で、昨年度より7工場多くご参加いただきました。試料数は、前年の約2倍となり、早々に予定の210試料に達しましたので、残念ながら参加を辞退いただいた工場もありました。
試料全体に占める製品分類ごとの割合は、ウインナーソーセージを中心にソーセージ類が最も多く86件で約4割を占め、続いてハム類が50件、ベーコン類が29件でした(表1)。ソーセージ類は生産数量が多く、アイテム数も多いので参加も多かったと思われます。
検査結果は、参加事業者に、試験検査成績書により報告しました。また試料数が多かった製品を中心に、成分値の傾向や特徴などを把握できるよう取りまとめた報告書を追って提供しました。取りまとめの中では、参考として日本食品標準成分表収載(2015年度版・7訂、以下「7訂」という。)に収載されている成分値との比較も行いました。
試料数が多かったベーコン、ロースハム及びウインナーソーセージの平均値(表2)を見ると、熱量は7訂よりも低く、たんぱく質は7訂より高い傾向にありました(表3)。特にベーコンの脂質は、7訂よりも大幅に低く、脂身の少ない豚ばら肉が使用されていると考えられました。
熱量は、たんぱく質、脂質、炭水化物に、それぞれエネルギー換算係数4、9、4を乗じて算出しますので、エネルギー換算係数が大きい脂質が低ければ、おのずと熱量も低くなります。


2年間の食肉製品成分表示義務化対応円滑化推進事業を終えて
2019年度は前年度より試料数を増やし、支援を強化しました。また、いよいよ栄養成分表示の完全実施が迫ってきたこともあって、より多くの事業者から参加いただきました。この事業の趣旨は、自社製品の分析値を把握し、「この表示値はサンプル分析による推定値です。」と表示できるよう、根拠データを提供することにありました。根拠データを持つことによって、行政だけではなく、表示を目にする消費者の理解も得られやすいと考えたためです。今回の事業が会員の皆様の適正な栄養成分表示を行うための一助となれば幸いです。
終わりに、この事業は、(公社)日本食肉協議会の「食肉製品成分表示義務化対応円滑化推進事業」の助成により実施できましたことに改めて感謝申し上げます。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
品質保証部長 松永孝光



