ご承知のように平成27年4月1日から食品表示法に基づく食品表示基準が施行され、全ての消費者向けの加工食品への栄養成分表示が義務化され、2020年4月から完全実施となります。
当研究所は、平成30年度に、社員及び会員の皆様が栄養成分表示にスムーズに対応できることを目的として、(公社)日本食肉協議会の助成を受け、栄養成分分析を支援する事業を行いました。今回のコラムではこの事業の実施の背景、事業内容などをご紹介いたします。
実施の背景
栄養成分表示は、原則として分析値を表示することとされ、この場合、保健所の収去検査において表示値に対して分析値が一定の範囲にないと違反とされます。
一方、表示された成分値に「合理的な根拠」があれば、「推定値」または「この表示値は目安です。」と表示した上で栄養成分を表示することも可能であり、この場合は一定の範囲から外れていても違反とはなりません。ただし、表示の根拠資料を保管しなければならず、保健所から根拠資料の提出を命じられた場合は提示する義務があります。「推定値」の根拠資料として、「計算値」によることも可能とされていますが、食肉加工品はその性質上取り入れにくいと考えられます。
こうしたことから、当研究所は、食肉製品製造企業を対象に、①推定値で成分表示するための根拠資料(試験成績書)の提供、②全体の分析結果のとりまとめデータのフィードバックを実施することとしました。
事業内容及び参加事業者の声


参加いただいた事業者には、試験検査成績書により結果を報告するとともに、製品ごとの成分値の傾向や特徴などを把握できるよう全体の試験結果を取りまとめた報告書をお送りいたしました。
【参加事業者の声】
A社:流通業者からの要望もあり既に栄養成分検査は実施している。アイテムが多いため、参加した。
B社:新製品の栄養成分検査に対応するため、参加した。
C社:ソーセージの栄養成分検査は終了しているが、ハム、ベーコンについて、来年も参加したい。
D社:来年度は検体数の上限を増やしてほしい。
事業を終えて
平成30年度は中小規模の企業に多く参加いただきましたが、お話を伺いますと、対応が十分に進んでいない事業者も多いと思われました。
そこで、今年度は試料数の上限を増やし、さらに支援を強化することとしまして、5月に社員、会員の皆様にご案内したところです。既に多くのお申し込みをいただいていますので、ご要望がございましたらお早めにお申し込みいただきたいと思います。
終わりに、この事業は、(公社)日本食肉協議会の「食肉製品成分表示義務化対応円滑化推進事業」の助成により実施できましたことを、改めて感謝申し上げます。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
品質保証部長 松永孝光



