平成29年5月30日に当研究所の定期総会が無事終了いたしました。昨年度は、森田新理事長のもと、新たな事業をスタートした節目の年でしたが、食肉科研社員をはじめとするJAS認定工場、会員、組合員の皆様方のご協力により、少しずつですが事業は軌道に乗りつつあります。
今年度は、新たに、食肉科研社員の皆様が食品衛生管理にHACCPを導入しようとするときの技術的支援に力を入れてまいりたいと考えております。

厚生労働省は、「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」の最終とりまとめ(平成28年12月公表)を踏まえ、製造・加工、調理、販売等を行う全ての食品等事業者を対象として、HACCPによる衛生管理の制度化の検討を進めるとしており、その制度化に際しては、食品等事業者が衛生管理計画を策定し、その内容がコーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則を要件とする基準A又はコーデックスHACCPの弾力的な運用を可能とするHACCPの考え方に基づく衛生管理を要件とする基準B(小規模事業者、一定の業種等を対象)へ適合することを求めるとしています。
食肉製品には総合衛生管理製造過程承認制度が導入されていますが、承認施設数は63、111件と、一部の事業者に留まっており、多くの社員、会員の皆様は、これからHACCPに取組む準備段階にあるのではないでしょうか。そうした中で、皆様方のところで技術的支援が必要となったときに、私どもにお手伝いできることがあるのではないかと思っています。当研究所には食品衛生の専門家として豊富な経験を持つ森田理事長のほかに、HACCPについての知識を有し専門講師の資格を持つ者がおりますし、また、JASの調査を通じて食肉製品製造工場を見てきた経験を生かして、食肉加工業界の食品衛生管理のレベルアップに、微力ながら貢献していきたいと考えています。
ここで改めて考えてみたいのは、厚生労働省が示すように、HACCPによる衛生管理は、事業者自らが考えて安全性確保のための取組みを推進させることが大事だということです。危害分析から記録の方法まで、手取り足取りの全面的なコンサルティングでは、HACCPプランが出来たとしても自分たちのプランではないので、定着しなかったり、改善の意識が持てないなどの弊害があります。
私たちは、HACCPを構築するのはその施設のHACCPチームであって、そのHACCPチームを恒常的に支えていく、という関わり方が、有効な支援と考えています。
例えば食肉科研として次のような支援が考えられます。

これらの支援は定期的な訪問によって実行できると思いますので、費用を含めた契約を交わして計画的にご支援したいと考えております。
HACCP導入に際してお困りのことがあれば、皆様の身近な検査機関である当研究所にご相談いただきたいと思います。

食品衛生法に基づくHACCPの制度化は認証を必要とするものではありません。誰かのお墨付きをもらうためではなく、お客様のために実践していくものです。消費者から信頼される食肉加工業界であり続けるために、HACCPというツールを活用されることを希望いたします。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
専務理事 猪口由美