3 月31日、厚生労働省監視安全課長と消費者庁食品表示企画課長は連名で各都道府県等衛生主管部(局)長宛に「カンピロバクター食中毒対策の推進について」の通知を出しました。その内容は次のとおりでした。

この通知を出すに至った経緯について、3月16日に開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会で配付された資料から説明します。
平成28年の食中毒の発生件数は1,140件、患者数20,253名、死者14名でした。原因物質の細菌及びウイルス別の主な事件数はノロウイルス 354件(31.1%)、カンピロバクター339 件(29.7%)、ぶどう球菌 36件、ウエルシュ菌 31件、サルモネラ属菌31件、腸管出血性大腸菌15件でした。患者数では、ロタウイルス11,397名(56.3%)、カンピロバクター3,272名(16.2%)、ウエルシュ菌1,411名、サルモネラ属菌704名、
ぶどう球菌698名、腸管出血性大腸菌253名でした。死者数は腸管出血性大腸菌10名、植物性自然毒4名でした。
このように、わが国の食中毒は、ノロウイルス及びカンピロバクターを原因物質とするものが事件数及び患者数とも大半を占めており、その対策が重要となっています。
食肉と関連の深いカンピロバクターを見てみますと、発生件数 339件のうち飲食店事例が280件と82.6%を占めており、飲食店事例のうち生又は加熱不十分な鶏肉・鶏内臓の提供があった事例(推定を含む)は195件(飲食店事例の69.6%)と飲食店における対策が重要となっております。
また昨年4月から5月にかけて東京都及び福岡県で開催された野外イベントにおいて、加熱不十分な鶏肉の寿司を原因とし、患者数は東京都609名、福岡県266名計875名と大規模なカンピロバクター食中毒が発生しました。寿司調理の直前に鶏肉を簡単な湯通しをしたのみで、カンピロバクターのリスクに関する認識不足の事業者が原因であることが判明しております。
これから夏に向かい屋外でバーベキューなどを楽しむ機会も増えますので、上記通知を踏まえ、鶏肉・鶏内臓を確実に加熱した上で摂食することにより、カンピロバクター食中毒の発生を未然に防止するよう、関係者として協力していく必要があります。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
理事長 森田 邦雄