2025年度検査技術実技研修会を終えて
食肉科学技術研究所は、2016(平成28)年から精度管理事業として、技能評価試験(外部精度管理)を実施していますが、同じく精度管理事業として、食肉製品の規格基準に係る微生物及び理化学 (亜硝酸根) 検査の技術レベル向上を目的とした『検査技術実技研修会』を実施しています 。今回のコラムでは、9月19日、20日に開催した実技研修会について、その内容や参加者の皆様のご意見やご感想を紹介いたします 。
こんな時にご活用いただけます!
当研修会では、前任者から引き継いだ方法で検査をしているのでやり方が適切か確認したい、簡易キット等を使用して検査しているので公定法をあらためて学びたい、陽性培地を観察したことがないので性状を見てみたい等のご要望に対応しています 。 座学で知識を深めたのちに、微生物検査では実際に培地への塗抹から陰陽性の判定、亜硝酸根検査では実試料を用い抽出から測定までの一連の操作を行うなど、検査技術の手技を習得することができる研修会となっています 。
研修内容(概要)
【1日目】
| 時間 | 内容 |
| 9:30- 9:40 | 挨拶・オリエンテーション |
| 9:40-10:40 | 微生物検査の講義 |
| 10:40-11:30 | 亜硝酸根検査の講義 |
| 12:30-15:30 | 微生物検査実習 |
| 15:30-16:00 | 亜硝酸根検査実習 |
【2日目】
| 時間 | 内容 |
| 9:30-10:00 | カビに関する講義 |
| 10:00-11:50 | 微生物検査実習 |
| 12:50-15:50 | 亜硝酸根検査実習 |
| 15:50-16:00 | 質疑・閉会挨拶 |
初日の午前は微生物検査及び亜硝酸根検査についての座学です 。微生物検査では食肉製品規格基準項目を中心に公定法とされる検査方法を、亜硝酸根検査では発色剤の使用目的、発色のメカニズム及び検査工程におけるポイントを説明しました 。また、使用する機器・ガラス器具類について説明し、翌日の検査実習に備え、蒸留水を使用してメスフラスコの定容 (精確に量る) やピペット (駒込ピペット、ホールピペット)の種類、用途、操作を練習しました 。午後からは細菌室で微生物検査の実習を行いました 。
2日目のカビに関する座学では、身近に存在しているカビですが、意外に知られていないカビの生態等を説明しました 。その後、細菌室で前日に培養した微生物の検査結果を確認しました 。また、本来2日間で結果が得られない検査については、予め用意した陽性の培地の性状を観察しました 。午後からの亜硝酸根検査の実習では、前日に習得したメスフラスコの定容やピペット操作を活かし、実サンプル2種類から亜硝酸イオンを抽出しました 。標準品を使って検量線を作成後、分光光度計を用いて試料を測定し、結果の算出方法について学んでいただきました 。
研修風景


参加者からのご意見・ご感想
- 検査に関しては知らないことが多かったため、貴重な体験となった 。
- 職場では微生物検査を簡易法で実施しているので、公定法にふれることができて良かった 。
- 微生物検査において、汚染を抑える方法など、細かな手技の指導を受けることができて良かった 。
- 両試験とも検査指針等に記載されていない細かな情報を得ることができた 。
- 社内では亜硝酸根分析の導入を検討しており、今回の研修は導入の良いきっかけとなった 。
- 他社の方々と情報交換など交流することができて良かった 。
- 日常の業務で疑問に思っていたことが解決できて良かった 。
- 講師の方々の質問に対する回答が的確であった 。
施設の都合で当研修会は現在のところ、年1回、最大で6名までの受け入れとしています 。少人数で濃密な研修ですので、研修中の疑問点や日頃検査を進めて行く中での気になる操作箇所など、その場で気負わず質問していただけます 。また、検査技術の習得だけでなく、参加者同士で日々の業務で直面する課題などを共有し、ネットワークを構築できることもこの研修会の良さだと思います 。今後もご活用いただければ幸甚です 。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
品質保証部 瀧 晴香



