当研究所は、2016(平成28)年度から精度管理事業として、技能評価試験(外部精度管理)を実施していることは、このコラムでもたびたび紹介させていただきました。同じく検査の技術レベル向上を目的とした「検査技術実技研修会」を、今年度も9月20日、21日に開催しました。今回はその内容を参加者のご意見・ご感想を含めてご紹介いたします。
研修内容
初日の午前は微生物検査及び亜硝酸根検査についての座学です。微生物検査ではE.coli、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、クロストリジウム属菌、大腸菌群及び耐熱性芽胞菌数について、いわゆる食肉製品の公定法とされる検査方法を説明しました。亜硝酸根検査では亜硝酸ナトリウムの使用目的、発色のメカニズム及び検査工程におけるポイントを説明しました。また、使用する機器・ガラス器具類について説明し、翌日の検査実習に備え、蒸留水を使用してメスフラスコの定容(容量を正確に測る)やピペット操作を練習していただきました。午後は細菌室で、生菌数、E.coli、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、大腸菌群の検査実習を行いました。今回の参加者は十分な検査経験を持つ方が大半でしたので、スムーズに進めることができました。
2日目はカビに関する座学を行いました。身近に存在しているカビですが、意外に知らないカビの生態等についてお話ししました。その後、細菌室で前日に培養した微生物の検査結果を確認していただきました。菌によっては教科書通りの定型的性状を示さないものもありますが、このような場合の見極め方等もお伝えしました。通常の検査では陽性の培地を観察することはほとんどないこともあり、皆さん熱心に観察され、写真に収めておられました。午後からの亜硝酸根検査の実習では、前日に習得したメスフラスコの定容やピペット操作を活かし、実サンプル(ソーセージ)から亜硝酸イオンを抽出していただきました。そして、分光光度計を用いて測定し、結果の算出方法について学んでいただきました。講師からは、検査のポイント、検量線の作成方法、検査における注意点等の他に、亜硝酸根の回収率を高めるための適切なホモジナイズ時間の設定、適切な除たん白作業、呈色のための適切な反応時間など、大事な「カンどころ」も教授しました。

参加者からのご意見・ご感想
1.基礎的な器具の使い方から学べて大変勉強になった。
2.微生物検査の公定法について知識がなかったので、勉強になって良かった。
3.亜硝酸根検査については、原理から詳しく学ぶことができて良かった。
4.普段行っている検査法や手順を改めて見直すことができた。
5.日々の検査で気になっていたところを解決できて良かった。
6.今回学んだ事を踏まえて作業手順をアップデートしていきたい。
施設の都合でこの研修会は最大で6名までの受け入れとしています。その分、少人数で濃密な研修ですので、わからないところはお気軽に講師に質問していただけます。また、検査技術の習得だけでなく、参加者同士で日々の業務で直面する課題などを共有し、ネットワークを構築できることもこの研修会の良さだと思います。今後もご活用いただければ幸甚です。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
品質保証部 品質保証課 瀧 晴香



