株式会社ロイヤリティマーケティングが消費者庁の委託を受け行った標記調査報告書が公表されました。本調査は、消費者の食品表示制度に対する理解度等を調査し、その結果を分析することで、食品表示法等の関係法令やガイドライン等の定着状況を把握するとともに、消費者の食品表示に対するニーズを把握し、食品表示制度の見直しに役立てることを目的としています。調査結果の中から、「加工食品の原料原産地表示に対する認知度・理解」についてその一部を紹介します。

【調査方法】インターネットによるアンケート

【 対 象 者 】全国の満15歳以上の日本国籍を有する一般消費者
令和2年国勢調査の性別、年代、地域の比率を考慮し、有効回答数48,806件から無作為による10,000サンプルを抽出

【アンケート回収期間】令和6年3月1日から3月10日

加工食品の原料原産地表示に対する認知度・理解について

Q67.あなたが加工食品を購入する際、「原料原産地名」の表示を商品選択のためにどの程度参考にしていますか。(お答えは1つ)

選択肢全体(n10,000)男性(4,828)女性(5,172)
いつも参考にしている18.815.521.8
ときどき参考にしている34.232.435.9
あまり参考にしていない20.823.018.8
全く参考にしていない10.112.28.0
表示されていることを知らない16.216.915.6

加工食品を購入する際、「原料原産地名」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は53.0%でした。男女別で見ると女性の方が関心が高く、ここには掲載してませんが、年代別では男女とも年齢層が高くなるに連れて「参考にしている」割合が高く、女性では40代以上の各年代で50%以上が参考にしていました。

一方で、「全く参考にしていない」、「表示されていることを知らない」の合計は26.3%、20代における「表示されていることを知らない」割合は、男性で21.5%、女性で29.2%でした。

Q68.加工食品の原料原産地表示制度の対象となる加工食品について、あなたが正しいと思うものをお答えください。(お答えは1つ)

選択肢全体男性女性
[正解]輸入品を除く全ての加工食品11.512.011.1
原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品としての品質に大きく反映される加工食品20.822.119.7
生鮮食品に近いと認識されている加工食品7.48.56.5
生鮮食品を主な原材料とする加工食品13.613.513.7
分からない46.644.049.1

正しい選択肢を選択した割合は11.5%にとどまりました。「分からない」の回答が46.6%と半数近く、そして、Q67で「いつも参考にしている」が最も高かった70代以上の女性でも「分からない」と回答した方は42.2%でした。

Q69.加工食品の原料原産地表示制度で産地が表示される原材料について、あなたが正しいと思うものをお答えください。(お答えは1つ)

選択肢全体
[正解]原材料に占める重量割合上位1位の原材料13.6
原材料に占める重量割合上位3位までの原材料16.1
原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品としての品質に大きく反映される原材料12.9
原材料に使用されている全ての生鮮食品9.7
分からない47.7

正しい選択肢、「原材料に占める重量割合上位1位の原材料」を選択した割合は13.6%にとどまりました。「分からない」が最も多い回答でした。

「又は表示」、「大括り表示について

ウインナーソーセージを例にした設問がありました。

○又は表示

「豚肉(A国又はB国)、豚脂肪、…」と表示されている場合(「豚肉の産地は、令和○年の使用実績順」という注釈あり)、「A国の方がB国よりも多く使用されていた」という正答は16.9%にとどまり、「分からない」の回答は47.4%に昇りました。

○大括り表示

「豚肉(輸入)、豚脂肪、…」と表示されていた場合、「国産の原料は使用されていない」という正答は30.6%で「又は表示」よりも高かったのですが、一方で「分からない」が49.4%と、「又は表示」よりも高い結果でした。

現行の食品表示に対する課題と要望

本調査では「原料原産地」を確認する際に不便に感じる点についても聞いていて、「不便ではない」が46.9%、「文字が小さくて見にくい」が19.9%、「確認していない(見ていないため分からない)」が12.2%、「表示事項が多すぎて見たい情報がすぐにわからない」が8.5%でした。

「不便ではない」の割合は半数弱でしたが、原料原産地表示を「参考にしていない」、「知らない」が3割弱でしたので、「原料原産地表示を気にしていないから不便ではない」と答えているかもしれません。

原料原産地表示だけではありませんが、消費者の商品選択のための「分かりやすい表示」というのはどのようなものなのか、改めて難しさを感じます。

令和5年度食品表示に関する消費者意向調査結果報告書

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
専務理事 猪口由美

#109「令和5年度食品表示に関する消費者意向調査結果」について