ウインナーソーセージは、毎日の食生活の中で朝食、お弁当やお酒のおつまみなど多くの場面で食されており、食肉加工品の中でも小さな子供から大人まで幅広い世代に好まれる身近で人気の高い製品です。今回のコラムでは、ウインナーソーセージにとって大事な食感の検査等についてご紹介します。

『食感』とは?

『食感』(テクスチャー)とは、食べ物を口の中に入れたとき、あるいは咀嚼したときに、口中や喉などで受ける感じ(感覚)のことで、味覚など他の感覚とともに『おいしさ』を構成する上で、重要な要素の1つです。この食感を客観的に評価するためには、対象食品の構造を考える必要があります。ウインナーソーセージは、皆様ご存じのように、牛、豚、鶏などの原料肉を挽肉にし、調味料や香辛料で味付けした練り肉をケーシング(天然・人工)と呼ばれる皮または包装に詰めます。そのため、噛みはじめたときに感じる表面のケーシングの食感と、噛み続けたときに感じる練り肉の食感の両方をとらえる必要があります。

食感を数値化するには?

食感の測定には、「テンシプレッサー」と呼ばれる機器を使用します。(図1参照)この機器は、ヒトの咀嚼の動作を物理的に計測して、咀嚼感を数値化するものです。食肉科研では、この機器を使って、ケーシングは『多重バイト法』で、練り肉は『2バイト法』で測定し両者の食感を解析しています。ウインナーソーセージのテクスチャーをデータで見てみましょう。

ケーシングの違いによる食感を数値化

『多重バイト法』により、種類が異なるケーシングを使用したウインナーソーセージ2種類の食感を測定しました。

○試料:羊腸ケーシングを使用したあらびきウインナー及びコラーゲンケーシングを使用したあらびきウインナーの2種類。両者の原材料表示は、どちらとも豚肉、豚脂肪、糖類、食塩、香辛料、調味料の順でした。また、食感に影響を与えると考えられる脂肪含量は、ともに28%台で、その差は1%未満でした。

○試料調製:ウインナーソーセージを真空包装し、沸騰水中で5分間加熱した後5分間流水にさらして粗熱を取り、室温(25±2℃)に戻しました。

○試験方法:具体的には、ソーセージの径よりも細いプランジャー(食品を破断するための専用器具)をソーセージの長軸に対して垂直に押し込み、ソーセージの表面を破断させました。得られた数値から、ウインナーソーセージを初めて噛むときに感じる「やわらかさ」、「しなやかさ」、「噛みごたえ」及び「もろさ」の値を算出しました。

テクスチャーの測定結果

表1 種類が異なるケーシングを使用したウインナーソーセージの物性(食感)比較

*数値は測定値5点の平均

食肉科研では、この結果から、ソーセージを初めて噛んだときの両者の違いを次のように表現します。

○コラーゲンケーシングを使用したウインナーは、羊腸ケーシングを使用したウインナーよりもやわらかく、噛みごたえは弱く、口の中でほどけやすい。

○羊腸ケーシングを使用したウインナーは、コラーゲンケーシングを使用したウインナーよりも、硬く、噛みごたえを感じる。

2つの試料の原材料や脂肪含量に違いがないことから、初めて噛んだときの食感は、ケーシングの種類に影響される可能性が高いと考えられます。

このように、テクスチャーの測定によって、ウインナーの食感はケーシングの種類ごとの特長を持つことがわかります。

次回は、ウインナーソーセージの練り肉(中身)部分の食感について測定方法や測定値から推察されることなどをご紹介いたします。

参考 テクスチャー用語とその意味

やわらかさ(破断応力)一定の変形をさせるのに要する力を表し数値が大きいほど硬いことを示します。
しなやかさ(柔軟性)数値が大きいほどしなやかである(柔軟性がある、噛み切りにくい)ことを示します。
噛みごたえ(総仕事量)数値が大きいほど嚙みごたえがある、嚙むときのエネルギーが必要であることを示します。
もろさ(脆さ)口の中でのほどけやすさ(脆さ)を示し、数値が大きいほどもろく壊れやすいことを示します。

文責:一般社団法人 食肉科学技術研究所
事業統括部理化学部 吉田由香